
児童養護施設は子ども達をひとりの職員で関わらず、さまざまな部署・役職がチームとなってケア・支援を行っています。
組織には、支援目標・ケアプランに沿った人材を育成し、またその職員が幸福に仕事ができるようマネジメントする必要があります。
今回は児童養護施設における人材育成とマネジメントの基本編から、人材についてをご紹介します。
人材とは?

まず、人材とは何か、というのを押さえておきましょう。
技能のみならずコミュニケーションも大切な要素
人材で重視されるのは、業種によって求められる特殊な技能や知識が高いものであるかどうかですが、現在はこうしたスキル以上に、個の力を組織の成果に変えていくために不可欠なコミュニケーション力や主体性です。
児童養護施設においてもコミュニケーション力と主体性の重要性は変わらずです。
子ども達と関わる場面は個々の職員でも、多彩な一面を見せる子ども達の姿や言動を皆で共有し、それぞれの知見・技術でケアしていくことが求められます。
児童養護施設における人材の特長

サービス対象故の長期雇用

児童養護施設職員が他の業種と明確に違いがあるのが、長期雇用が前提ということです。
もちろん、退職させない・早期退職を責めるようなことはありませんが、子どもが信頼を置き、愛着の対象として深い絆で結ばれた職員が、大人になっても施設で変わらず居続けるという安心感は非常に大きいです。
退職しても子どもと関わり続けてくれる人もいる一方で、求めていた職員がいなくなり、喪失体験として深い傷を負ってしまう子がいるのもまた事実です。
長く子どもと関わり、子どもが自分の人生のひとつとなる覚悟を持つことが、児童養護施設職員には求められています。
広範囲な専門性と特殊性

身内のことを褒めちぎるのもあれなのですが、児童養護施設職員は、福祉系職員の中では非常に優れた専門性を有しています。
医療・司法・障害・教育・ITなどをはじめとした様々な分野の知見を持ち、時に各分野の専門家と連携したり、渡り合うこともあります。
子どもを24時間ケア・支援する際、全てにアンテナを立て、必要なケア・支援を提供するのが児童養護施設職員です。
高度な技量を持った人材

先程の専門性を、高度な技量にまで高めて子ども達のケア・支援に生かしています。
子ども達はすべからく深い傷を負っています。ひとつのユニットで複数人の子ども達を、1人・ないし2人の職員で関わることは並大抵の技量では務まりません。
数年前までは、18歳の退所までの支援技術で成立していたことが、法改正やアフターケアの重要性なども全国的に認知されるようになったことで、成人し自立されてからのケア・支援技術も児童養護施設職員には求められるようになりました。
社会的養護・養育は普遍的であり、常に時代に沿った支援にアップグレードされています。
児童養護施設職員はこれに対応し、社会の変化にも柔軟に応じている点では、とても高い技能を有しているといえます。
支援者の育ち

最後にご紹介する児童養護施設職員の特長が、支援者の育ちが反映されるという点です。
マニュアルに沿っていけば上手くいくわけではないのが児童養護施設です。
例えば、下校してきた小学生に語りかける定番のセリフは「宿題いつやる?」です。
「後でやるよ」「明日の朝やるから大丈夫」という子どものリアクションに対してのマニュアルはありません。
「今やろうぜ!」とノリで言って乗ってくれることもありますが、筆者はそれができません。筆者自身が宿題が大嫌いだからです。
ある日、全くやる気がない子に対して「間に合えばいつやっても良いけど、サボるのは僕の経験上止めといたほうが良いよ」と伝えると、不思議と取り組んでくれました。
何が言いたいかというと、表向きの言葉では子どもの心には届かず、職員の育ちや考えによる裏付けを子どもはよく捉えていて、職員の真っ直ぐな言葉を子ども達は受け取ってくれます。
また、子ども達と関わる上で情緒的な安定感を備えていることは、どっしりと構えて支えていくための要素としてとても重要です。
広く高度な専門性と安定感を備えているのが児童養護施設職員
いかがでしたか。
24時間、子どもをそばで支え続けている児童養護施設職員。
その背景にはたゆまぬ努力と覚悟を持ち、組織内や様々な業種と連携するための高いコミュニケーション力も有しているのが特長です。
次回は児童養護施設職員の特長を捉えた上で、現在抱える人材の課題をご紹介していきます。
児童養護施設における 人材育成 基本編
本記事は以下のスライドを元にご紹介しています。
皆さんのお仕事やプライベートで活用してもらえれば幸いです。
【基本編①】児童養護施設における人材育成とマネジメント
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