児童養護施設の生活支援-職員が実践する3つの対応を解説!

児童養護施設 生活支援 職員

24時間、児童と時間を共にする児童養護施設職員。児童相談所や関係機関との連携を始めとした多様な仕事をしていますが、現場職員が一番に大切にしているのは、なんといっても子ども達の生活です。今回は、その中でも基本的でとても大切な、衣食住の支援について解説します。

児童養護施設の生活とは?

児童養護施設は施設の形態で子ども達の生活は大きく異なります。大人数で生活する大舎制から少人数で家庭に近い環境で生活する小舎制、さらに地域にある戸建てを利用してより一般に近い環境を提供する地域小規模などで生活をしています。現在は一般家庭に近い環境で子ども達を養育し、ケアをしていく流れが主流となっています。

そのため、一般家庭では当たり前のように行われていることを、職員は意図的に、専門家としての目線を持って行っています。

子ども達の生活で大切なこと

大切なこと①:生活リズム

施設に入所する子ども達の多くは、家庭で昼夜逆転の生活をしていたり、養育者の都合に振り回され、生活リズムが不安定な中で暮らしています。

不安な毎日を送ることで、眠りたくても眠れず、食欲が湧かず、イライラしてしまう事が増え、学校にも登校できなくなります。

決まった時間に起きて食事を摂り、定時に学校に行って、帰って遊ぶ。家にいれば当たり前と思えるこのリズムを整えることが、子ども達の生活にとってとても大切なことです。

大切なこと②:食事

食事は生命を維持するためだけでなく、幸福を感じ、人生を前向きに生きていくために必要な要素です。虐待環境にいた子ども達は、食事を満足に摂ることができなかったり、栄養に偏りのある食事が続いたり、1日3食でなかったりと、幸福を感じるには程遠い、生きるための手段として食事をしていた子もいます。

自分の好きな味付けにしてくれる、食べやすい大きさに切ってくれる、記念の日には特別なメニューで祝ってくれる。

職員が毎日提供する食事はとても大きな意味が有り、食事を通して「あなたのことを大切に思っている」というメッセージを伝えています。

大切なこと③:衣服

衣服は生活するために必要な機能性を持つほか、自分を表現できる大事な要素であることから、生活支援においても重要な位置づけとして見られています。

清潔な服を着れず、満足な数も無い中で過ごしていた子ども達は命の危険に晒され、自分という人間を表現する自由すら奪われていくことは、耐え難い苦痛であることが容易に想像できます。

洗濯し、綺麗にたたまれた服を提供することは、食事と同じように、職員から子どもへの大切なメッセージです。今日はどの服を着ようか、暑かったら涼しい格好が良いかな、流行っている服が欲しいなど、考え、選び、表現する自由を得ることは、子どものみならず、大人でも心躍り、嬉しくなります。

生活支援スキル獲得・向上に必要なこと

子ども達のサインを見逃さない

子ども達は生活の中で、職員に対してサインを送ってくれます。

例えば「夕食がカレーの日はとても元気」「金曜は朝から好きな授業があるから必ず早起き」「同じ服をサイズダウンしても着続ける」など、好みや考えを、無言で職員に伝えてくれます。

こうしたサインを見逃さず、外食でカレー屋に寄ってみたり、好きな服と同じブランドがあるお店に行く、金曜は早めに食事を用意しておくといった、職員が言わずとも示す行動に、子ども達も必ず気づいてくれます。

子ども達の毎日のちょっとした変化に気づけるよう、どんな些細なことでも「なんでだろう」と疑問に思う視点を持つと良いです。

背景を理解する

入所前の子ども達の状況を児童相談所や関係する期間に聞くことは、子どものトラウマ思考を理解する上で必要なことです。

もし生活リズムが整わない日が続いていたとしたら、幼少期からの生活を関係機関から聞いてみたり、生活の中で子どもが発言する言葉からヒントを得たりと、子ども達の行動には必ず背景があり、理由があるのだということを理解しておくことが大切です。

職員の連携

例えば小舎制の場合、1人の職員で複数の子ども達を支援する勤務が組まれるため、同じ配属先の職員とコミュニケーションを取ることは非常に少なく、記録を取っているとはいえ情報量の限界もあります。

「○○ちゃん、今日こんな事があったんですよ」と、ちょっとしたエピソードがヒントになって、その後の対応で食べられないおかずが食べれるようになったりと、解決に至ることもあります。

職員とのテキストベースの引き継ぎだけでなく、口頭での引き継ぎやコミュニケーションを大切にすることは、子ども達への生活支援で欠かすことのできない、基本的で大切な仕事です。

生活支援を大切にしてケアの充実を!

児童養護施設は、子ども達を生活の中でケアし、そして安心で安全な環境を提供していく施設です。一般家庭の中で自然と行われている食事や洋服選び、変わらない毎日のルーティンは、子どもが成長する基盤となり、それは児童養護施設にとって基本的でありながらとても大事にしている支援です。

日々の子ども達の姿から学び、またチームの職員や関係機関と手を取り合い、時に切磋琢磨しながら、子ども個々に柔軟に対応できる力を職員個人とチームが身につけることが大切です。

子ども達のために必要な生活支援の充実を、大切にしていってくださいね。

北村一樹

児童養護施設職員。普段は子ども達の生活をサポートし、休日はライフワークである山に入っています。

関連記事

最近の記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。