ここ数年で、児童養護施設の仕事は大きく変化しました。人材不足の中で求められ、広がっていく専門スキル、コロナ禍での子ども対応。忙しさが増していく中、生産性を上げるデジタルデバイスの導入は、業務効率化における手助けになります。今回は、児童養護施設のデジタル化とおすすめのデバイスについてご紹介します。

目次
デジタル端末を使う業務
児童養護施設でタブレットやPCを使う業務といえば「児童記録」「会議記録」といった基本的な業務のほか「外部とのメール」「職場内SNS」など、一般企業でも使われるのと同様のシチュエーションで使われます。
最近ではLINEアプリを始め、スマートフォンの普及や多数のアプリが開発されたことから、学校の保護者同士のやり取り、学校提出物のデジタル化などにより、デジタルデバイスの操作からITリテラシーの習得が児童養護施設職員に求められるようになり、またデバイスの配備も合わせて必要になってきました。
業務に最適なデバイスは?
PC

現在、各施設に必ず配備されているであろうデバイスがPCです。管理職や事務職では性能に特化したデスクトップ型が多く、現場には従来のクラムシェル型が普及しています。現在はタブレットとも併用できる2-in-1型も普及し、以前より扱いやすくなった印象を受けます。
内外含めて会議が多い方やリーダー職、現場を離れての業務や資料作成等にはPCを使うのがおすすめです。とはいえ、タブレットのようなアプリの使用には不向きであり、OSや仕様によってはコストもかかるので、導入はよく吟味して選ぶのが良いです。
とはいえ、最近はGoogleが独自開発したChromeOSを使用したPCのChromebookもメジャーになりつつあり、こちらはタブレット並みの価格帯から購入できるので、高性能を求めなければPCの導入という選択肢は、以前に比べれば敷居は大分下がっているのではないかと思います。
このHPもChromebookを使って作成しています。
タブレット

スマートフォンとPCの間の位置付けとして広く普及したのがタブレットです。テキスト入力などの一部作業ではPCほどの操作性はありませんが、スマートフォンと同様の感覚的な操作と携帯性の高さはPCを上回り、特にアプリを使った業務では優位性は非常に高いです。
反面、PCの様な資料の作成、汎用性という面では一歩劣る傾向にあり現場以外の出先から「ちょっと仕事でも」と思っても、取り扱いづらさを感じます。キーボードを付けることで2-in-1型PCに近い使用感を出すことはできます。
スマートフォン

現場の内外線用として所持しておくのにおすすめです。子ども達もスマートフォンアプリを使うようになり、従来の電話番号からのやり取りでは不都合を感じる場面も増えたり、タブレット以上に簡単に取り扱え、使用にもストレスがないスマートフォンは、職場内のデジタルデバイスの普及は最も早いです。
しかし、PCと同等の業務はもちろん、使用範囲はより狭くなるので、PCかタブレットと合わせて職場内に配備する必要があるので、現場のニーズや旧内線の廃止など、合わせて検討する必要があります。
機能比較
PC | タブレット | スマートフォン | |
![]() | ![]() | ![]() | |
メリット | ・必要な業務全てに使える ・低コスト機もある | ・持ち運びに便利 ・アプリが使いやすい | ・携帯性が抜群 ・導入が早い |
デメリット | ・持ち運びに不便 ・アプリは使いづらい | ・オフィス機能は不向き ・PCに比べ制限される | ・単体での組織運用は難しい ・アプリ使用のみ |
使用場所 | 現場以外 | 現場 | 内外線 |
ひとつのデバイスだけを揃えるだけでなく、複数のデバイスを予算の範囲内で適宜揃えていくのが、まずはおすすめです。まずは必要な部署に配備してみたり、運用の効果を検証することもおすすめです。初めは抵抗感もあるかもしれませんが、根気良く扱いに慣れるまで使い続けることも大切です。まずは簡単な操作からスタートしてデバイスに親しむことから始めたり、機械好きの方を配置するのも良いですね。
参考機種
PC

現在のPCは出先でも十分なバッテリーと、ある程度価格帯が上のものを選べば、起動も早くサクサク動きます。

こちらはChromebookです。価格はWindowsOSの半値以下で性能も決して高くありませんが、オンライン上での作業を想定される点などにより、起動は数秒、動作もWindows上位種と遜色ないほどに動いてくれます。
タブレット

汎用性は運用方法を考えると、ipadは外せない選択肢です。業務で使えるアプリも充実しているので、使い方によっては唯一無二と言っても良いです。

価格帯と用途を絞れば、他のタブレットも十分選択肢に入ります。使用するアプリの動作環境などを事前に確認しておきます。
スマートフォン


スマートフォンは、OSのアップデートによる影響は数年間では受けにくいので、コストを掛けず同一機種を揃えると良いです。カメラ機能やBluetooth、おサイフケータイなどの本体機能はよく確認しておきます。
デジタルデバイスを導入して業務の生産性を上げよう!
デジタルデバイスの導入は、初めは抵抗感があるかもしれません。慣れないキーボード操作や知らないアプリの操作など、現場の仕事以外にこうした機械操作に慣れるのは、結構ストレスだったりします。まずは慣れることから始めて、自然とLINEやTwitter、いろんなアプリを使えた時と同じ様に、興味があるところや簡単な操作をして、組織に浸透させていくと良いです。人材不足、またコロナ禍の中でデジタル化の波は児童養護施設にも確実に訪れています。デジタルデバイスの導入で、生産性を上げて是非子ども達のケアに還元してくださいね。
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